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茂津多岬の縞状熔岩その1


位置

北海道南部の日本海側に島牧村という人口2000人の村があります。島牧村は海岸にしか集落がなく内陸部には2〜3温泉などがあるだけで全く人が住んでいない、日本では他に例がないかも知れません。

島牧村と南に隣接する瀬棚町との境に、茂津多岬という秘境にも近いところがあります。海岸線を国道229号が通っていますが、新第三紀〜第四紀の火山岩と火砕岩の崖が連続しているため、トンネルで通過してしまうところが多く、集落もほとんどないところです。Mapfanで位置表示

 

周囲の地質

北海道の日本海沿いの海岸は、新第三紀〜第四紀の火山岩と火砕岩が圧倒的に多く、ここ茂津多岬周辺も下図の通り中新世〜更新世の安山岩と同質火砕岩が主体です。

 

縞状熔岩

縞状熔岩は安山岩質で、中新世の火砕岩を主体とする地層に挟在する熔岩のようです。

縞状を呈し時に板状節理が発達する溶岩が、自破砕熔岩に接する様子などが見られます。

縞状を呈する理由は基質の発泡程度の違いによるものなのでしょうか。

流紋岩やデイサイトに見られる流理は、基質の発泡の量が多い部分の変質が進んで、色調の差が縞状を呈すようです。→地質調査センタ

北海道の樽前山ドームに縞状熔岩が見られるという記事を見つけました、同じようなでき方なんでしょうか。→岡目火山ブログ

 

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茂津多岬周辺の地質鳥瞰図  旧地質調査所20万分の1地質図「久遠」を使用しKasimir3Dで作成

1_1 縞状熔岩の一産状

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1_2 1_1の部分拡大

1_3 1_2の部分拡大、斑晶が多く粗粒な層と斑晶が小さく基質がやや発泡している印象を受ける層が互層する。

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1_4 粗粒部分のさらに拡大、斜長石と輝石の斑晶がとても大きい

2_1 縞状熔岩と水冷破砕熔岩とのダイナミックな関係が見られる露頭

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